「中国の宮廷史」から感じた事。

かなり前ですが主人と二人で映画「西太后」を観に行きました。
西太后(1835~1908)は「咸豊帝」の側室でただ一人男児を産み皇帝亡き後、素早く皇帝の側近を片付けて(残酷な方法で)しまい長年にわたり権力をほしいままにしてきた人物です。
その後、何年かして今度は「ラストエンペラー」という映画も観に行きそのあまりにも波瀾万丈な人生に驚いてしまいました。
テレビでは浅田次郎原作の「蒼穹の昴」を見て「西太后」が一人の人間として描かれていたので中国宮廷史に興味が湧き本を買って読んでみました。

映画やテレビ、本を読んで思った事は中国の権力闘争や残酷さは日本の比じゃないというか…。
その中でも興味を引いたのは映画、テレビ、本で必ず重要な役割を果たす宦官にたいしてです。

そしてつくづく思った事は日本は宦官制度を取り入れなくて本当に良かったと思いました。

宦官は元々は捕虜や罪を犯した人の刑罰の意味があったらしいのですが、その後、皇帝の身の回りの世話や後宮の女性達の見張りや世話係になったようです。
でも、浅田次郎さんの本にも宦官の手術の事が描かれてますが本当に残酷で驚きました。

それに、権力者の近くに仕える立場なので皇帝や皇后、側室達に色々と讒言をしたり陥れたりと歴史的にも国乱れる元にもなっています。

日本が「宦官制度」を取り入れなかったのは、そうした国乱れる元になる事を多分、見抜いていたのだと
思います。
そして、こんな人間性を無視したような残酷さも嫌っていたのだと思います。

中国の歴史は古代から血みどろの残虐な歴史の繰り返しです。

ウイグル、チベットの方々はナチス時代のユダヤ人迫害と同じくらいひどい目にあっているようです。
香港の人達も本当に心配です。

日本は中国の文化に影響をされてきても、いいものだけを取り入れてきました。
「宦官」、「纏足」、「科挙」の制度は取り入れてきませんでした。
それは日本人が持つ「危機意識」の凄さだと思いますし、そしてその事は独自の日本文化を発展させてきました。

現在、日本の周囲は敵だらけと言っていいでしょう。

今こそ日本人が古来より脈々と受け継がれてきた「危機管理能力」を発揮すべきだと思います。