リベラルって、きったねえなあ(一) 

山之邊雙氏から投稿を頂きました。ちょっと長いので3回に分けてお届けします。

今風に言うと「リベラル あるある」というところかな。面白いですよ(仁)。

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リベラルって、きったねえなあ(一)         山之邊雙

 

「皇室典範に関する有識者会議」と打ち込んで、インタネットを検索すると、「平成十七年」という日付が出て来る。小泉内閣の時に、完全な男女平等の改正を提案する結論を出した途方もない答申だった。紀子妃殿下のご懐妊が分かって、反故になった。

じゃあ、今進行している有識者会議は何という名前なのだろうと思って探してみるが、見当たらない。「安定的な皇位継承の在り方を議論する政府の有識者会議」という文字が出て来るが、これが正式名称なのだろうか。長すぎるから正式名称らしくないが。

さて、この有識者会議では、有名人にヒアリングをして、意見を聴取している。意外に伝統重視派が多く、女性天皇には賛成だが、女系天皇・女性宮家には反対、旧皇族復帰に賛成の意見が多かった。

 

平成十七年に、逆の結論が出たのは、この件を仕切っていた福田官房長官が、個人的に親しい小和田恒氏の意向を忖度したために、人選が偏ったのだ。それにしても、政府の恣意的な人選で結論が正反対になるのだから、「有識者会議」とか「諮問委員会」とかいうものは、おためごかしに過ぎない。

 

今回の人選は適切だったというべきか、保守派を選んだだけだというべきか。いずれにしても、まともな結論が出て幸せだった。特に、女性の有識者に女系天皇に反対する人の多いのが頼もしかった。小説家の綿矢りさ氏の意見が論理的だった。

 

インタネットのいろいろなブログをつなぎ合わせてみると、綿矢氏の論点は二つあった。

第一に、「女性天皇を歓迎する風潮もある」が「女系天皇は、伝統を重んじる観点から、慎重に取り扱う必要がある」ということだった。

第二には、「これまでの長い皇室の歴史でも、皇位継承の危機で知恵を出し合い、皇統を遡(さかのぼ)り、伝統ある皇位継承を維持してきた経緯があり、皇族数が減少する現状で、(旧宮家の皇籍復帰は)現実的な案ではないかと思う」と述べた。

気象予報士・タレントの半井千絵氏も漫画家の里中満智子氏もほぼ同様の意見だった。

 

ところが、インタネットを見ていると、新聞社系のブログを中心に、「綿矢氏『女性天皇を歓迎する風潮もある』」と解説しているものが多い。特にそれをタイトルにしている記事が目立った。

綿矢・半井・里中氏の意見の一番重要な所は、「旧皇族復帰」であることは言うまでもない。リベラルマスコミは、それが気に入らないから、ここでもまた「報道しない自由」を行使したのである。敢えて「女性天皇歓迎」を強調したのは、万世一系を破壊したいという反日の謀略が見て取れる。

 

皇位継承に関するリベラルの意見は、ひたすら「卑劣」としか言いようがない。

その典型が田嶋陽子氏である。氏は、つねづね「天皇制には反対」と明言している。ところがその一方で、「女系天皇を認めないと、天皇制が続かなくなるからいけない」と言ったのである。

「天皇制に反対」の人が「天皇制が続かなくなるからいけない」とは、何という偽善であり、何という論理の欠落であろう。

言論の自由などの問題ではない。こんな理窟に合わない理窟を放置しておいてよいはずがない。論理のない感情的な意見に国民を篭絡させてはならない。小山田圭吾のいじめと同じで、世論の力で叩き潰す必要がある。

立憲民主党もほぼ田嶋氏と同じ意見を党として表明した。その際「皇位の安定的継承のために(女系を認めるべきだ)」という言葉を使った。

立憲民主党は天皇制廃止を主張したことはないが、ホンネがそれであることは見え透いている。共産党でさえ、近年は天皇制反対とは言わない。

天皇制反対がホンネでありながら、「皇位の安定的継承のために」とは、彼らは恥というものを知らないのだ。

 

どんな世論調査でも、天皇制支持率は80%を超えている。立憲民主党も共産党も、天皇制反対を口にすると票が減るから黙っている。

正面から攻撃すれば国民の反感を買う。そこで搦め手から攻めようというわけだ。女系天皇になれば、万世一系でなくなる。櫻井よしこさんは、「女系天皇になれば、国民は天皇を尊敬しなくなるだろう」とおっしゃったが、洵にその通りだと思う。リベラルは「そんなことはありえない」と言いながら、実はそのことをよく理解しているから、女系天皇によって、国民を皇室から離反させ、ついには天皇制を廃止に追い込もうと画策しているのである。

 

「リベラルってきったねえなあ」というのは、私が若い頃、日本社会党に見切りを付けた時の感想である。当時はまだリベラルという言葉が現在のような意味では使われていなかったから、「左翼ってきったねえなあ」と思ったのだが。

今では、リベラルとは左翼の謂いであるが、英語のliberal, liberalismとは「自由・自由主義」の意味である。中国・北朝鮮のような自由を抹殺しようとする国々を支持する人々をどうしてリベラルというのだろうか。彼らが自分たちを「リベラル」と呼ぶこと自体が「きったねえなあ」としか言いようがない。

同級に民青の活動家がいた。私は「君らは自衛隊に反対というが、どうせ共産党が政権を取ったら、軍隊を作るんだろう」と訊いてみた。彼はニコニコしながら、「でもそれは、人民の軍隊だよ」と言ったものだ。

きったねえなあ。