河添恵子著『習近平が隠蔽したコロナの正体』を読んで(4)

「世界は中国へ反撃を開始した」

前述のように武漢ウイルス研究所はフランスやアメリカとの関わりがあった。またサプライチェーンで多くの国々が中国とは簡単に断絶できない関係にある。中国人は世界の隅々まで存在し、団結している。頭脳明晰な中国人は他国の大学や施設に入り込んで重要な知識、情報を盗み、本国に渡している。マネートラップ、ハニートラップで弱みを握られているケースは枚挙にいとまがないだろう。

しかし重要な情報が隠蔽され、真実が知らされないまま、多くの生命が奪われ、なお危機に晒されて、おめおめと引き下がる訳にはいかない。世界諸国から中国への反撃が開始された。

まず米国マイアミのバーマン法律グループが2020年3月13日、「中国と湖北省武漢市及び複数の中国政府機関が、新型コロナウイルス発生の初期段階の処理を誤った」として、人身傷害や不当な死亡、財産の損害、その他の損害を受けた人々に、数十億ドルの損害賠償を支払うよう求める連邦集団訴訟を起こした。

同年3月24日、米下院は、中国当局の新型コロナウイルスへの初動対応の誤りで、世界に感染拡大させたことを非難する決議案を超党派で提出した。

2020年5月18日、WHO年次総会初日にオーストラリアのマリーズ・ペイン外相はシドニーで記者団に語った。「公平で、独立的で、包括的であること。新型コロナウイルスに関する『独立した調査』の開始を求める動議法案で、われわれはこの3つを強調してきた」この動議は欧州連合とイギリス、日本、ロシア、カナダ、そしてアジアやアフリカ諸国など122カ国が支持した。ペイン外相はこの世界的な支持の高まりを「国際社会の勝利」と表現した。

中国は案の定、オーストラリアに報復を仕掛けたが、オーストラリアはWTO(世界貿易機関)に訴えることも検討すると反撃した。

WHOは今年1月、研究室流出説について「可能性が極めて低い」という見解を示したが、8月には前述したように「新型コロナウイルスの患者ゼロ号は武漢ウイルス研究所の職員の可能性がある」と発表したのである。

河添恵子氏は最後にこう綴っている。

「オーストラリアの外相が発した『国際社会の勝利』が意味するものは何か。『自由と民主』『法の下の平等』『人権』を勝ちとする国家、世界の代表者らが話し合いで決めることの大切さの勝利。ハッキリ言えば『中国のマネー工作=唯物的かつ非民主的手段の敗訴』である」

「もう一つ、私がこの数カ月、世界のマスメディアを読み続け、そして識者の発言を聞き続けるなかで、新たなキーワードにも気づいた。『透明(性)』である」と。

日本も目を覚まさなければならない時がきている。(和)