惟神(かんながら)の道

戦前戦後の教科書の違いに、日本の成り立ちの記述の有無があります。

日本の国の成り立ちは「古事記」「日本書紀」に神話の形で書かれています。これらの神話、伝承は国土や自然、社会の成立ちを自然崇拝や信仰なども取り入れながら、まとめたものです。戦後の教科書に記述されていなかったのですが、今は自由社と育鵬社に書かれています。

日本人は無宗教と言われています。宗教は?と聞かれて戸惑う人もいるでしょう。 では「神道」とは何でしょうか?もともと「惟神の道」といい、神代から伝わってきた神の御心のままの道、「自然と神の道」を意味しています。自然界のものや現象に人知を超えた神をみて、祈りの対象にしました。ご神体は大きな山や木や岩であり、その祈りの場所に神社ができました。

仏教にはお釈迦様、キリスト教はイエスキリスト、イスラム教はマホメッドと創始者がいますが神道には教祖も教義も経典もありません。キリスト教には生まれながらに人間は原罪を背負っており、神に救われなければならない、と言っています。しかし神道に原罪はなく、無垢な美しい魂をもって生まれてきて、成長と共に穢れが生じるのでそれを祓うという発想なのです。

一神教の宗教では排他的で対立や争いが絶えず、戦争まで起こしています。西洋でいう神と日本の神は違います。神道は宗教の分野には入らないのではないでしょうか?

神道に「中今」という言葉があります。今を大事に一生懸命に生きるという意味です。過去にとらわれず、また未来の不安を考えず、生かされている今に感謝をしながら生きる事、それが人間としての美しい生き方であると説いています。

今、日本の伝統を再認識する生活や行動をすることが必要です。今一人ひとりが自分の出来ることをしていきましょう。

惟神の道が世界を調和で結び、平和がおとずれると信じています。(知)