講演「憲法改正は必要なのか?」②

「画期的な安保3文書」

故安倍元総理は、辞任直前の記者会見で“日本は反撃能力を持たなければならない”といった内容の発言をなさいました(2020年8月28日の安倍内閣総理大臣記者会見)。

【補足:反撃能力については2020年6月に当時の安倍晋三総理が保有検討を表明していました。当初は「敵基地攻撃能力」と言われており、「相手領域内で弾道ミサイル等を阻止する能力」としていました。自民党は2022年4月の提言で、先制攻撃には当たらないことを明示するため「敵基地攻撃能力」)を「反撃能力」に名称変更し、保有する方針を盛り込みました。以降、政府も「反撃能力」を使用しています】

反撃能力とは、いうなれば“やるならやってみろ、こちらもやり返すぞ”ということです。日本も反撃能力を持たなければ中国の攻撃意欲を止めることはできません。

その安倍さんの遺言が活かされたのが、昨年12月に閣議決定された安保3文書です(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛整備計画」の3文書)。この3文書がかつてないほどに画期的なのは、そこにタブーなき議論が見られるからです。

ウクライナの戦争、平和な国が突然侵略されて本格的な戦争になってしまった、それを誰も止めることが出来ない。台湾に対する中国の圧迫が日に日に強まる。こういう現実、危機を見つめ、分析し、日本は何をすべきかが書かれています。図上演習も繰り返されています。

そういう中での憲法改正を考えていかねばなりません。