先の大戦に従軍した祖父から聞いた素晴らしい日本と日本軍人について、アメリカ人による日本の歴史研究者の論文です(引用者:生)。
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『祖父が愛した日本に導かれて』
麗澤大学外国語学部准教授 ジェイソン・モーガン
(『れいろう』誌 心に残る話 ベストセレクションPart1
平成29年8月号掲載から引用)
私が幼かったころのアメリカは、「祖父」といえば誰しも第二次世界大戦の従軍経験者でした。
「アメリカは正義のために、日本という悪の帝国と戦ったのだ」。私自身、学校でそう教え込まれました。
ある日、その日本の車を祖父が買ってきました。命懸けで倒そうとした国の経済に協力するなんて・・・・。私は驚きました。率直に思いを告げると、祖父はこう話してくれました。
「日本はいい国だよ。負け戦と分かっていても、自分の国を守るために最後まで戦い続けた。わしらは皆、勇気ある彼らを尊敬していたんだ」
祖父は戦時中海軍に志願し、空母の通信兵として太平洋に派遣されました。そこで日本のすさまじい特攻を目の当たりにしたのです。終戦後の本土上陸は、日本人に待ち伏せされるにちがいないと思い、怖�かったそうです。しかし横須賀では予想外の出来事が待っていました。「あれには本当に驚いた、もし、わしらが日本兵を迎え入れる立場だったとしたら思いやりを持って歓迎できたと思うか?日本は決して普通の国ではない。特別な国だ。」
私は祖父をとても尊敬していました。世界大恐慌のころ、小学校をやめて十歳から仕事を始め、朝鮮戦争後にようやく祖国へ戻ると突然、弁護士をめざしはじめます。基礎から叩き上げ、ついに試験合格を果たした祖父が関心を持ったのは、歴史です。誰よりも真実を追求し、大戦のヒーローとされるルーズベルト大統領を「嘘つきの王様」と強く批判していました。祖父の話を聞いて、私の中の「日本は悪、アメリカは善」という神話が崩れ落ちました。
祖父が愛した日本を訪れて、通算八年目(当時)に入りました。日本はアジアのヒーローです。今も誤った歴史認識に洗脳され、祖国の歴史に胸を張れずにいる日本人を見ていると、心が痛みます。歴史学者として人一倍嘘を許せない性格は、祖父譲りかもしれません。神が与えてくださった、ここ麗澤での仕事を天職と思い、日本に対する誤解と偏見を正すために、私は研究を続けています。