川内先生の教育提言20.「校長よ、腹をくくれ!」

絶対的体罰禁止がもたらした学校現場の荒れについて述べてこられました。

しかし体罰禁止は社会全体に浸透してしまっています。では教育現場ではこれにどう対処すればいいと言うのでしょう。大胆の提言が...(仁)。



20、校長よ、腹をくくれ!(拡散希望!)      元徳島県立高校校長 川内時男
 これまで教師達が手足を縛られ、身動きできない状態にされ、その結果深刻ないじめが
はびこっている、と言うことを述べてきました。
 無論これは先生達の非ではなく、あえて言うならその責任は学校をがんじがらめにして
いる社会と言うことになりましょう。ですから、教育界が「体罰絶対禁止」の姿勢を貫いて
いる限り、改善されることはありません。
 では学校で今いじめや暴力を受けている子供はこのまま耐え続けるしかないのでしょうか。
子供が自殺しても社会はこのまま指をくわえて見ているしかないのでしょうか。
 ある人達からは問題解決の策として「道徳教育によっていじめ問題を解決させよ」との声が
あります。実はそれは大変重要なことですが、実は今やっている道徳教育では無理です。理由
は別の機会に述べます。
 さしあたって私は教育現場に向けて言いたいことがあります。それは「校長よ、腹を
くくれ!」と言うことです。
 原理主義と言って良いほどに硬直化した「体罰禁止」は文科省の姿勢に始まり、都道府県
教育委員会、市町村教育委員会、そして保護者や国民、またマスコミや学者など、つまり
社会全体に浸透しているのです。こういう中にあっては教育現場ではいかなる時も、いかな
る些細な体罰も許されることがありません。
 ではどうすれば良いのでしょう。校長が腹をくくることです。校長が自身の首をかけ、
校長の責任において体罰を容認することです。何という暴言!と思われたでしょうか。
校長とて公務員、その校長に暴力をそそのかすのですから暴言には違いありません。
 しかしこれを責めるなら「絶対的体罰禁止」で教師を身動きできない状態にしていること
こそ責められるべきではありませんか。
 「絶対非暴力」という美しい言葉の陰で深刻ないじめがはびこり、子供が自殺する事態に
までなっているのです。責められるべきはこのような状態を放置している社会の方ではあり
ませんか。
 
 教師は公務員、法は守らなくてはなりません。しかし子供の命は法を守ることより遙かに
大事なはずです。「法で縛られているから」といって、全ての関係者が責任回避し、事なか
れ主義になっていては一体誰が子供を守るのでしょう。
 
 校長は法に背いてでも子供の命を守らなければなりません。校長は「これ以上放置して
いては危ない!」と確信したときには、腹をくくって力を行使しなくてはなりません。
 所属教員に対して「責任は全て自分が負う」と明言した上で、教師による子供への体罰を
容認することです(もちろん子供に怪我をさせないようにと指導した上で)。
 「法は守ったが子供の命は守れなかった」というのでは公務員としては正しくても、教育
者としては失格です。
 行政から処罰されたらどうするのか。甘んじて受けましょう。
そして公の場で自分がとった行動の正当性を、保護者はもとより世間に向けて訴えるのです。

 校長たる者、子供の命を守るためにはそれくらいの覚悟が必要です。酷な言い方ですが、
校長は学校においては最高指揮官、これが決断できるのは校長しかいないのです。