こんな知事がいていいのか(1)

どうして知事になったりする人にまともな人が少ないのでしょうね。

静岡の知事も問題の多い人です。リニア新幹線にイチャモンをつけて開業を遅らせている人。

この三澤氏のコメントも面白い。どうぞ(仁)。

(「百人の会」に掲載された記事を転載させていただきます)

 


こんな知事がいていいのか(1)    三澤廣    R2-10-19

 

学術会議が推薦した新会員候補のうち、六人の任命を菅義偉首相が見送ったというニュースには快哉を叫んだ。

安保法制が可決されてから、もう五年になる。あのころ、朝日新聞が憲法学者など209人に、この法案が憲法に違反しないかどうかを訊いたアンケートがある。インタネットに「安保法案学者アンケートに関するトピックス」と打ち込むとその経緯と結果がよく分かる。

回答を得られたのは122人だったそうだが、そのうち、「憲法違反に当たらない」と答えた学者は2人だけで、残りはことごとく、「憲法違反に当たる」もしくは「憲法違反に当たる可能性がある」と答えた。

同じアンケートの他の項目では、大半の学者が「自衛隊は憲法違反」「憲法九条を変える必要はない」と答えている。

 

私はつねづね、「どんなに知性のない人でもなれるのが憲法学者」と言っている。村山富市以下の知性と言われる土井たか子さんでさえ、政界に転じないで同志社大学に残っていれば、末は教授になっていたに違いない。新聞に出てくる憲法学者は、「戦争はいけない」「九条を守れ」と鸚鵡返しに言うだけが能なのだ。

なにゆえに、憲法学者のほとんどが安保法制違憲論に加担したかは察するに余りある。

朝日からの執筆依頼を電話で受けた評論家が辞退した所、相手(朝日の社員)がびっくりした声で「朝日の依頼を断る人はいませんよ」と言ったという。

 

アンケートは執筆依頼ほどの価値はないにしても、「ここでアンケートに応じれば、何か将来トクがあるに違いない」と思うはずだ。しかるに、このアンケートでは回収率は60%に過ぎなかった。ということは、回答しなかった学者はほとんどが安保法制合憲論だったと考えれば辻褄が合う。

そして、回答した学者たちが「違憲」と答えたのも、そう言わなければ、今後マスコミからお呼びが掛からなくなるからである。テレビに一回出れば、高額の出演料をもらえる。名前が売れる。ひょっとするとコメンテーターになれるかも知れない。

学者としての良心なんぞとっくの昔に悪魔に売り払っているから、合憲だと思いながら違憲だと言って恬(てん)として恥じる所はない。いや、その前に、合憲とか違憲とかいうのは、客観的事実の判定ではなく、学者の主観によって恣意的に決まるのだから、食べ物の好き嫌いと大差はない。

 

こんな学者たちの集まりが学術会議だ。white elephant(無用の長物)とはまさにこのこと、菅首相は第二弾として、学術会議への国費からの支援を断つべきである。

今回、任命を見送られた人たちは、その偏向ぶりに問題のある人ばかりだ。特に加藤陽子東大教授は私が前々から「これはひどい」と思っていた人だ。インタネットで、「http://nt1945.blog.fc2.com/blog-entry-300.html」をごらんになれば、「こんな人は排除されても仕方がない」とお思いになるだろう。

 

ところが、首相のこの任命見送りに対して、リベラルはまたしても非難の大合唱を浴びせる。就中(なかんづく)、静岡県知事・川勝平太氏は、菅首相を非難する余りに、恐ろしい失言をした。

「菅義偉さんは秋田に生まれ、小学校、中学校、高校を出られて、東京に行って働いて、勉強せんといかんということで通われて、学位を取られた。————言い換えれば学問された人ではない。単位を取るために大学を出られた」

 

リベラルが保守派を誹謗する常套句が「差別者」である。「百田尚樹は差別者だから発言を制限されても仕方がない。香山リカは差別者ではないのだから、言論の自由を守られるべきだ」などという途方もない使い方をする。

ところが、リベラルのリベラルたる所以(ゆえん)は、論理的誠実さ、論理的一貫性を欠いていることにあるから、言うに事欠くとたちまちに差別者に転じる。

その一番よい例が青島幸男・元東京都知事だっただろう。支持してくれたリベラルの同志たちが知事室を訪ねて、その変節と悪政を非難した所、「おまえらホームレスみたいだな」と口走ったことがあった。

今度の川勝氏の失言はそれに匹敵するリベラルの「節操の破綻」の典型だと言えよう。

 

香山リカ氏は保守派の発言を洗い出して、「これはアウトです」と言うのが常である。責任を取って辞任するしかないという意味らしい。そのデンで言えば、川勝氏のこの発言は典型的な「アウト」である。もちろん青島氏もアウトである。

それにしても、この川勝氏。これほどまでにひどい学歴差別発言は保守派でもしない。むしろ、保守派は学歴などあまり気にしない。逆に、リベラルの方が学歴だけは高い人が多いから、心密かに低学歴の者を馬鹿にしているふしがある。学歴自慢、学歴差別をしたくてたまらないのに、してはいけないことになっているので我慢しなければならない。「腹ふくるるわざ」なので、その鬱憤が噴き出たのが「学問された人ではない」となったのであろう。

 

リベラルは実は学歴主義者なのだ。

因みに、共産党は委員長制度ができた昭和四十五年(一九七〇)の宮本顕治以来五人の委員長がいるが、そのうちの四人が東大出。それに対して、自民党総裁は平成になった時の竹下登以来、十五代十四人のうち、東大出は宮沢喜一と谷垣禎一だけだった。しかも、どちらも弱小総裁で谷垣は首相にもなれなかった。

東大出てないと共産党委員長になれないとは知らなかったでしょう。