「江戸の家計簿」を読んで②

以前、会報で「江戸の家計簿(磯田道史)」の事は書いた事はあるのですが最近読み直してまだまだ書き足したいと思ったのでまた書くことにしました。

この本で江戸時代の様々な職業や家賃、食べ物の値段とそれが現在ならいくらになるのかが書かれています。

例えば私は時代劇がわりと好きで以前は「鬼平犯科帳」「必殺仕事人」などもよく見ていました。なので江戸の治安を守る町奉行、同心、与力、岡っ引きなどの給料はどうだったのか?江戸の町奉行は「1050石」で現在の価格にすると年収(3億1500万円)、与力は「60~80石」で年収(1800万~2400万円)、同心は「30俵」で年収(300万円)、岡っ引きは「1分」で年収(7万5000円)ほど。町奉行とは随分と与力や同心、岡っ引きとは年収の差があるのが分かりますね。

只、一般に武士階級の暮らしは苦しくて武士は内職をせざるを得ない状態にあったようです。(傘張り、提灯作り、金魚やコオロギ、鈴虫の飼育等々)

町人ではどうか。江戸時代、江戸は人口100万人を超えた大都市で人口の半分ほどは町人たちが暮らしていました。江戸で大繫盛した大店の主人の場合の収入は大体で「2万9500両」で現在の価格で(88億5000万円)手代や番頭などは「4~6両」で(120万~300万円)

その他の町人の使用した場合の料金で例えば駕籠かきは「500文」(本橋から𠮷原までで3万7500円)髪結い一人につき「32文」(2400円)が相場だったようです。

町人の家賃は表長屋は「90文」(6750円)裏長屋「65文」(4875円」で大家さんは家賃の取り立てから身元引受人、旅行の際の手形申請、仲人、もめごとの仲裁までやり、まさに「大家と言えば親同然」だったようですね。

江戸は現在でいうファーストフードが盛んで一品料理の屋台がズラリと軒を連ねたようです。蕎麦一杯「16文」(250円)うどん一杯「16文」(250円)天麩羅一串「4~6文」(63~95円)鮨にぎり一貫「8文」(125円)うなぎの蒲焼き「172文」(2700円)等々。

江戸庶民は物見遊山がとても楽しみで伊勢参りは特に人気があったようで街道沿いには旅籠宿や木賃宿が並ぶようになったようです。旅籠屋の値段は「60~200文」(4500円~1万5000円)木賃宿「30~40文」(2250円~3000円)。

私の小中学校時代は武士階級が威張り庶民階級は虐げられてように教わってきましたが、この本を読むと江戸時代のにぎやかさ庶民の逞しさが伝わってきて江戸時代は非常にパワー溢れていた時代でだったにではないかと思います。

江戸時代の末期に欧米諸国の白人達が多数日本に押し寄せますが皆、江戸の町の清潔さや庶民まで字が読めて勤勉だった事、そして治安の良さに驚いています。

でもそんな江戸時代からの素晴らしい日本も今は移民によって治安が悪くなりつつあります。その上に日本人は古来より自然を大事にしてあらゆる自然に神様が宿るとして自然を大事にしてきました。でも今はその大事な自然をメガソーラーで壊して神をも恐れぬ罰当たりな事をしてしまっています(涙)

今こそ日本人は日本を守ってきてくれた先人たちに感謝し、原点に帰るべき時がきたのではないでしょうか。

(Y)