川内先生の教育提言23.「日本はミツバチ集団国家」

川内時男先生の教育提言23をお送りします。西洋ミツバチと日本ミツバチとの違い、驚きますね(仁)。

 

23、日本はミツバチ集団国家(拡散希望!)
川内時男先生の活動報告(元徳島県公立中学校校長)

 テレビや新聞で教育に関する解説を聞くことがありますが、それらのほとんどは「欧米の
学校では・・・」などと欧米の教育を例にあげ、それを真似ようとする話ばかりです。
「我が国の国民性はこうだから・・・」と、自国のお国柄を基盤に据えた教育論はほとんど
聞いたことがありません。
 
 マスコミや学者はとかく欧米の教育を崇拝しますが、その根底には「日本の教育より欧米
教育の方が進んでいる」との思い込みがあるからでしょう。だとすればとんでもない思い
違いです。
 
 実は、衰退しつつあるとは言え、我が国の教育は欧米教育より遙かに良いのです。それは
本稿の「8、実はよく頑張っている日本の学校(4月11日投稿)」で述べました。今一度
ご覧下さい。                    
 
 「個」の力で生きる欧米と違い、稲作農耕民族国家の我が国は国民が団結し集団の力で
生きる国です。生き物に例えるならミツバチ集団と言えましょう。ミツバチはそれぞれの
個体は非力ですが、集団となると無類の強さを発揮し、時には獰猛な熊をも撃退します。
もしミツバチ集団のそれぞれの個体が自己主張し、勝手な行動を始めたら、そのミツバチ
集団は時を経ずして絶滅することでしょう。

 子供に自由、権利、平等を教えることも大事ですが、日本のお国柄を度外視して、これら
ばかりに力を傾注するのは極めて危険なことです。
 
 ところでミツバチについてもう少しお話させてください。ミツバチが最も恐れるのはスズ
メバチです。スズメバチは強力な顎と牙を持った獰猛な生き物で、希に人間を殺すことさえ
あります。このスズメバチに襲われますと、さしものミツバチも反撃できず、たった数匹
侵入されただけで全滅させられてしまいます。

 実は養蜂家が飼育するミツバチは全て西洋ミツバチです。そして彼らの故郷であるヨーロ
ッパにはスズメバチが住んでいないことから西洋ミツバチはスズメバチを撃退する方法を知
りません。ですからスズメバチに全く抵抗できず、全滅させられるのです。
 
 しかしそのスズメバチでも相手がニホンミツバチとなるとそうはいきません。ニホンミツ
バチは巣箱で人間に飼育されることはなく、木の洞(うろ)の中に住み、自然の中で生きて
います。体は西洋ミツバチより一回り小さく、性格も温厚でめったに人を刺しませんが、
外敵が現れますとすさまじい集団性を発揮します。

 そんなニホンミツバチの巣をスズメバチが襲いました。西洋ミツバチなら手もなく全滅
させられるのですが、なんとニホンミツバチは、体が大きく凶暴なスズメバチに集団で襲
いかかります。最初の十数匹はかみ殺されますが、続々と仲間が襲いかかり、やがて数百匹
の仲間でスズメバチの体を包み込み「蜂の玉」を作ります。そして「蜂の玉」となったニホ
ンミツバチは一斉に羽ばたきをして自分の体温を上げます。このとき「蜂の玉」の中心部の
温度は46度以上、この高温によって玉の中心にいるスズメバチを蒸し焼き状態にし、殺し
てしまいます。スズメバチが高温に弱いことを知っているニホンミツバチの作戦勝ちです。

 とは言ってもニホンミツバチにも被害はあります。最初に飛びかかってかみ殺された十数
匹と、蜂の玉の中にいた仲間のその後の寿命が4分の1になってしまうことです。しかし、
その犠牲のおかげで数万匹の仲間の命が救われるのです。すごい防衛の仕方ですね。究極の
日本人を見るような気がします。