川内先生の教育提言(19)です。この内容は拡散希望です(仁)。
19、体罰禁止はここまで来た!
親しい友人から聞かされた話です。
教師が子供を厳しく指導するとき、教師は両手を後ろに組み、自分は絶対に子供に手を出さない、と言うことを態度にして示すそうです。教師とて人間、指導の途中で感情的になり、つい手を出すことがないとも限りません。そこで、間違っても子供に手を上げることのないよう、自制するポーズをとるのだそうです。
実は私が現役だった頃、そういう話を耳にしたことがありました。当初私は「変わった学校もあるもんだ」くらいにしか思っていなかったのですが、その後退職してから10年、それをやっているのは「変わった一部の学校」ではなく、多くの学校で行われているとのことです。
確かにこれであれば教師が子供に手を上げることはなくなることでしょう。しかし教育的見地から観て、これは正しいあり方でしょうか。教師のこのようなポーズは「何があっても自分からは手を出さない」と子供に意思表示をしているようなものです。
その友人の話では、子供は教師の絶対非暴力を見て、教師を挑発したり、中には手で教師の顔をピシャピシャと打つ子供もいるのだそうです。完全に子供に舐められています。
相手が絶対に反撃してこないと知ったとき、人間はどういう行動をするでしょう。我が国に向けてミサイルを発射したり、領海を侵犯したり、国民を拉致したりする国があるのを観れば明らかでしょう。
まして相手は人間になりきれていない「霊長目ヒト科の子」です。こうなるのはむしろ必然です。教師がこんな状態に置かれていては「いじめ撲滅」などのかけ声は空しく響くばかりです。
いじめられている子供が教師に被害を訴え出たら、自分をいじめている子供と握手させられてオシマイ、という例が多くあるそうです。何と安易な指導でしょう。実はこのような指導はいじめられた子供の8割方が不登校になるそうです。
いじめられる子供にとっては、教師に訴えるのは彼らからの報復を考えれば命がけです。それをこのような安易な指導ですまされたのではたまったものではありません。「学校は平和ボケしているのではないか」との非難も当然です。
しかしです!世間はこの教師を非難することができるでしょうか。かつて同じ教師であったから庇うわけではありませんが、教師が手足をがんじがらめに縛られて、何もできない状態にされている今の学校ではこの程度の指導しかできないのではないでしょうか。