言うに事欠いて~柳原病院乳腺外科事件~【投稿】

山之邊雙氏より投稿をいただきました。ご紹介させていただきます。(仁)

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言うに事欠いて

 

「柳原病院乳腺外科事件」というのを御存知でしょうか。

平成二十八年(二〇一六)、東京都足立区の柳原病院で、乳腺外科の医師が手術後の女性患者が意識朦朧としている間に、乳房を舐めたという事件です。弁護側は、患者は麻酔による譫妄状態にあって、幻覚を見たのだと言って、無罪を主張しています。

ふつうは性犯罪事件が起こると、マスコミやリベラルは何が何でもやっているはずだと主張します。一番ひどかったのは、平井駅事件(痴漢を疑われて、警官を呼ばれたために、被疑者が降車を拒否して電車を遅らせた事件/Wikipedia参照)で、人権派のチャンピオン安藤優子さんが、「ともかくも一旦逮捕すべきだった」と言い放った一件でした。ふだん人権を口にする人が、痴漢事件になると、冤罪でも逮捕してしまえというのです。

 

「柳原病院事件」は「せん妄事件」とも呼ばれます。手術のための麻酔で、女性がせん妄(譫妄/半覚醒)状態に陥っていたために、幻覚を見たというのです。

本当に譫妄状態に陥っていたのか、それが論議の分かれ目なのですが、今日はそのことには触れません。問題はいつも女の味方であるはずのリベラルが、これについてだけ、ふだんとは違うことを言っていることです。

 

この事件では、性犯罪事件の被害者の女性がリベラルから叩かれています。みんなが医師の味方をするのです。事件の起こった頃、インタネットを見ても、なんでこんなことがありうるのだろうと訝ったものですが、謎はすぐに解けました。柳原病院が共産党系の病院だったのです。

リベラルは、共産党とは必ずしも協調関係にはありませんが、国家権力の弾圧だと判断すれば、たちまちに同調するのです。

インタネットの書き込みを見ていると、医師を弁護するのは、ほとんどが「リベラル」と「医学関係者」です。

この事件は、一審で無罪判決が出たましたが、東京高裁の控訴審で、それが覆って、懲役二年の有罪判決となりました。

このとき、日本医師会会長の中川俊男氏は記者会見で、「体が震えるほどの怒りを覚えた。日本医師会は判決が極めて遺憾であることを明確に申し上げ、今後全力で支援する」と発言しました。医師会は弁護士会とは違って、リベラルの巣窟になっているわけではないでしょうから、政治的背景があるわけではなく、医師であるという理由から、闇雲に無罪にしているのでしょう。「医師会ムラの住民」たちの既得権益擁護作戦です。

 

この事件は新聞ではあまり報道されませんが、インタネットでいろんな意見を総合判断すれば、その裏が見えて来ます。

いろんな報道を見ると、弁護論は支離滅裂な屁理屈を並べているとしか思えません。

私は、医師は冤罪でないと確信していますが、今日は、私の意見は述べずに、弁護論の支離滅裂を指摘してみたいのです。

被告人には膨大な弁護団(当初は十二人)が付いています。この弁護士たちが、素人にも劣る理窟にならない理窟を並べるのです。

一番ひどかったのが、「医師は金もあり、女に不自由しないのだから、性犯罪を犯すはずがない」というものです。

インタネットでも、その意見が幅を利かせていますが、弁護団が公然とそれを主張したのには驚かされました。

じゃあ、従来、医師が性犯罪を犯したという記録は皆無なのでしょうか。そんなことはありません。インタネットに「医師 性犯罪」と打ち込むと山のようにその事例が出て来ます。「医師だから性犯罪を犯すことはない」という命題は事実によってはっきりと否定されているのに、リベラルは「中国が沖縄に攻めて来るはずはない。そんなことをすれば、世界中から指弾されるから」(福島瑞穂氏)というのと同じレベルの強弁を並べ立てるのです。

かつて医師が殺人事件を犯した時にも、「命を救う立場の医師が人を殺すことはありえない」という弁護論がありました。結局自供しました。(Wikipedia筑波大医師殺人事件)

今回また(2023-7)、「(札幌)ススキノのホテルで男性の首なし遺体が見つかった事件」で、医師が関与していることが分かりました。

なんという暗合でしょうか。この医師の勤務先がまた「共産党関係」の病院だったのです。医師は犯罪を犯さないという命題は「偽」だと証明されました。

それとも、共産党関係の医師だけが犯罪を犯すのでしょうか。

 

そもそも、「女に不自由していないから性犯罪を犯さない」という論法が通るものなら、「政治家は金を持っているのだから、収賄などするはずがない」ということになりそうです。

人は議論に負けそうになると、言ってはいけないと思うことでも口にしてしまいます。「言うに事欠いて」なんでも言ってしまうのです。その典型が、親子喧嘩で理窟が通らなくなると、「誰に養ってもらっていると思ってるんだ」と口走ってしまう父親です。「医師だから性犯罪を犯すはずはない」もその好例です。

ずいぶん昔のことですが、金丸信氏が北朝鮮と接近したことがありました。このとき、その筋から金をもらったのではないかという疑惑が生じました。当時の週刊誌の弁護論がひどかった。あまりにひどかったので、今でも忘れられません。

「金丸氏は十分に金を持っているのだから、自分のために金を欲しがるはずがない。もらったとしても、政界再編成のためだろう」と言ったのです。

この週刊誌、サンデー毎日でした。金丸訪朝は平成二年(一九九〇)のことでしたが、どうして、反日・反自民のサンデー毎日が金丸氏を弁護したかというと、氏が北朝鮮の味方だったからです。今でも、マスコミはみんな、媚中の二階氏・野田氏に甘いではありませんか。

それしても、「十分に金を持っているのだから、自分のために金を欲しがるはずがない」とは、ジャーナリストが言うべき言葉でしょうか。ジャーナリストの良心などどうでもいいのです。マスコミの言う「言論の自由」とは情報産業の既得権益擁護の主張に過ぎないのです。

 

柳原病院事件の公判でもっと驚くべきことは、弁護団が公然とセカンドレイプをしていることです。

 インタネットに次のような記事が出ています。《乳腺外科医のわいせつ裁判で無罪判決、被害女性が涙の反論》と打ち込むと検索することができます。「純子さん」というのはこの記事の筆者が仮名にしたもので、被害者の本名ではありません。(下記【 】部分引用)

【第2回公判で医師の弁護団は《性的に過激な表現の多い作品に出ている女優》などと純子さんを評した。純子さんは「私は芸能関係の仕事をしていますが、そんな仕事ではありません」と憤る。そのほかにも事件にまったく関係のない主張を続け、まるで純子さんが1日中、性的なことばかり考えているかのように貶めたという。】

 

さらに弁護側は「傍聴席から見えるモニターに上半身裸の写真を写そうとした」り、「女性のピルの服用歴などについても言及」しており、特にピルの件について、被害者は「病気療養のために服用していたピルが、なぜこの裁判に関係あるのでしょうか」と憤っています。

法廷に於けるセカンドレイプは、女性の人権侵害の最たるものとして、つねづねリベラルがその根絶を訴えているものです。そのリベラルが言うに事欠いて、法廷でセカンドレイプという戦術に訴えたのです。

 

医師たちの弁護論としては、「これが有罪になったら、医師は安心して医療に従事できなくなる」というのがありました。これも言うに事欠いて、自分でも信じていない屁理屈を並べているにすぎません。これは安藤優子さんの、「疑わしきは罰すべし」を裏返しているだけです。「医師が性犯罪を犯すことはありえない」を別の言葉で言っているだけです。

 

最近の正義が没却される事件は、大半が、分かり切っている嘘偽りから始まっているのです。

蓮舫氏は安倍晋三氏を「息をするように噓をつく」と誹謗し、結局ブーメランになって、「噓つき蓮舫」と呼ばれるようになってしまいました。

噓偽りはリベラルのお家芸なのです。

この事件、二審で有罪になって弁護側が上告した後、最高裁は高裁に差し戻しました。この裏事情は分かりませんが、無罪の心証を持ったのでしょうか。

最高裁判事もリベラルに毒されていると言われます。

またまた、司法が正義没却に加担しているのでなければいいのですが。

以上