「平和は大事、ではその大事な平和を維持するには?」

東京の下町に生まれ、映画「三丁目の夕日」の様な環境で育った私は、当時(昭和30年代)はまだまだ親族や近所の付き合いが濃厚の中で繰り返し親族や近所の人達から、一晩で10万人が焼き殺された「3月10日」の大空襲の事を耳に胼胝ができるほど聞かされてきました。父はこの空襲で弟、妹4人を亡くし母は祖父母、従妹、仲の良かった友人を亡くし近所の人達もそれぞれ身内を亡くしていたようです。でも親族や近所の人達の誰からも当時の政府や日本軍の悪口などは一度も聞いたことがありませんでした。

お盆やお正月には親族一同、父方の家に集まるのですが大体、大人達は戦争中の頃の話になり、お酒で酔ってくると戦争中での自慢話や軍歌を歌うようになり私や従兄弟、従妹達は大人達が話す「日本の兵隊さん達は勇敢で強かったんだぞ」という日本の兵隊さんの勇敢に戦かった勇ましい話が大好きでし、よくせがんで何回も聞かせてもらいました。そして軍歌も一緒になって歌いました。従兄弟、従妹、近所の子供達と外で遊ぶときも主に戦争ごっこが多く木の棒2本にそれぞれ簡単に紙に書いただけの日本の旗とアメリカの旗(星をいくつか書いただけ)を貼り付けてから日本軍側とアメリカ軍側にジャンケンで分かれて(勿論、負けたほうがアメリカ軍)原っぱ(当時の下町は原っぱが多く遊ぶ場所が沢山ありました。)の小高い所に旗を2本を立てて子供達の中で1番年長者が「突撃ー!」と叫ぶと一斉に旗に向かって我先にと旗を取りに行きました。この頃は本当に日本軍に対して子供心ながら誇りに思い戦争の事は全然、タブーではありませんでした。

ところが小学校に上がると先生方の戦争批判が始まり「日本は間違った戦争をしてしまった。多くの罪もない国民を犠牲にしてしまった。アジアの人達にも大迷惑を掛けてしまった。もう二度と日本は戦争をしてはならない。何と言っても平和が大事。日本は憲法九条のおかげで永久に平和になることが出来ました。この平和を本当に守っていかなくてはね。」という教え(思想?)を受けたので自分の中では親族や近所の人達の考え方のほうが間違っていると段々と思い込むようになりお盆やお正月に親族が日本軍を褒めたりすると私は反発して「日本軍は帝国主義の手先であった!空襲も原爆も全部、日本が悪い!」などと偉そうに言って親族を呆れさせていました。今思うと顔から火が出るほど恥ずかしいと思っています。教育って本当に怖いですね。

私の考え方が変わっていったのは主人のおかげでもありますが、1番「はっ」とさせたのは本で「憲法九条は日本が守っても日本以外の他の国は守る義務はない」(確か書いたのは井沢元彦氏だと思いましたが。)と書かれていた事を読んだ時でした。それまでは憲法九条に対してはあまり疑問に思っていた事はなかったのですが、考えてみたら何でこんな単純な事が今まで気がつかなかったのだろうと・・・・・・。自分の事が本当に恥ずかしく思ったものです。

この平和で穏やかな日本が永遠に続いて欲しいと私も願っていますが、「平和、平和」と祈っているだけでは残念ながら平和を維持する事が出来ませんよね。他の国は日本の九条なんて知ったことじゃないだろうし寧ろ日本を狙う悪辣な国にとっては日本が九条を守ってくれてるほうが都合がよくありがたいでしょう。九条は悪辣な相手国にとっては侵略しやすいありがたい憲法ですよね。九条改正を大反対する左翼の人達はこの視点が欠けてるのか、もしくは何もかも本当はわかっていて反対しているのか・・・・・?

かつて日本は「日本人は安全と水はタダで手に入れると思ってる」と言われました。本当に水も綺麗だし世界中が羨むほど穏やかで優しく安全な素晴らしい国だと思います。でも、だからこそこの素晴らしい日本がこれからも安全で平和な国のままで次世代や子孫たちに残せるには日本にとって何が必要なのか今の私達の世代が責任を持って考えていかなくてはと思っています。(葉)