葛城奈海氏講演会「君民一体の大和の国を受け継ぐために」①

2021年11月28日、アビスタ(我孫子市生涯学習センター)において葛城奈海氏の講演会『君民一体の大和の国を受け継ぐために~今考える皇統について~』が行なわれました。

葛城奈海氏はジャーナリスト・キャスター・俳優。防人と歩む会会長。やおよろずの森代表。東京大学農学部卒業後、自然環境問題・安全保障問題に取り組まれています。予備3等陸曹。予備役ブルーリボンの会幹事長。著書『戦うことは「悪」ですか サムライが消えた武士道の国、いま私たちがなすべきこと』(扶桑社)で令和3年10月27日に「第4回アパ日本再興大賞」を受賞されました。

お話は「『初等科国語』より3篇のお話」「歴代天皇陛下のエピソード」「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典に参加して」「皇統について」「皇統の危機を救う解決策」「日本人と天皇~海外戦跡慰霊の旅~」に分けて、ここに紹介します(タイトルは筆者による)。

(なお、葛城氏のお話の部分は括弧「 」でくくります。紙面の都合上、当方で編集したところもあります。ご了承下さい)

【『初等科国語』より3篇のお話】

最初にお話しされたのは、戦時中の小学生が使っていた『初等科国語』。ハート出版から復刻版が出される際に葛城氏が解説を担当されたものです。これは中学年版で3年生が使っていました。

葛城氏は「今と全く違うのですね。最初は神話から始まり、皇室、お祭り、神社、兵隊さん、軍隊、自然と亘り、こういう教科書で学んだら強い日本人が育つなあ、という内容です。すごく感動して多くの方に知っていただきたいと思います」と述べられ、「天皇を中心に受け継がれてきた国の歴史が分かる冒頭から3篇のお話を紹介します」と話されました。

その3篇の話とは『天の岩屋(あめのいわや・あまのいわや)』『伊勢の神宮にお参りした兄から弟への手紙』『光は空から(歌詞のような1篇)』です。

『天の岩屋』のお話の概略。天照大神(アマテラスオオミカミ)が弟の須佐之男命(スサノオノミコト)の乱暴を怖れ岩屋に籠ってしまい、世の中が真っ暗になってしまった。神々があの手この手と天照大神が外に出るように仕向け、みごと天照大神がお出ましになり、世の中が元のように明るくなった、というお話。

『光は空から』は自然の美しさを愛で、“天長節は嬉しいな”と天皇のお誕生日を挙って祝う歌詞のような1篇。

「3篇ともすべて天皇に関わる内容になっています。神話から繋がる天皇の存在が親しみを込めて書かれています。

王様が権力をもって支配していた『ウシハク』とは反対に、天皇陛下は常に民の声をきく『しらす(シラス)』存在でありました」

【歴代天皇陛下のエピソード】

「歴代の天皇には様々なエピソードが残っています」

「第16代の仁徳天皇は高いところにお上りになり、国民(くにたみ)の生活をご覧になると、釜戸から上がるはずの煙があがっていないことを見て、国民の生活が困窮していることを知り、3年間税を取りませんでした。

東日本大震災にも匹敵するといわれる『貞観の大地震』が起きたとき、国民が困っている責任は深く自分にあるとした第56代の清和天皇。

日清戦争時、第122代の明治天皇は大本営のあった広島にあって常に軍服に身を包み、寒い時も暖炉にもあたらずに、出征した兵士を思って生活をされていたといいます」

「そうやって民を思う天皇のエピソードは枚挙にいとまがありませんが、私が中でも感動したのは、元旦に天皇が行なう『四方拝」』(四方とは方角のこと。それぞれの方向に向けて神々に祈りを捧げて1年の無事を願う 筆者補足)。

『この世で起こる様々な災いは我が身を通して下さい。すべて私が引き受けるので国民をお守りください』という祈りです。天皇は国民を子供のように大切に思う。だからこそ国民は天皇を親のように思う。

このように君民一体が私たち日本の国柄であります」(和)