「命がけの証言」を読んで

「命がけの証言」(清水ともみ+楊海英)を読みました。

読んで思わず涙と共に深いため息をついてしまいました。ウイグル人の方々の境遇に対してあまりに悲しくてそして憤りを覚えたからです。ナチスのユダヤ人絶滅収容所に匹敵するほど残酷なひどい行いを受けています。

この本は7人のウイグル人の命がけの証言を漫画で読みやすく載せているのですが私が一番印象に残ったのは第二章のグリスタン・エズスさんの話で中国人らは(最初の頃は)「ここは君らウイグル人の土地だからあなたがたに任せる、私達は協力するだけだ、経済的に豊かになったらすぐ出ていく」と、とても友好的な事を沢山言われ役人はそれを信じましたが結果的にそれらはみんな噓で侵略の為の罠でしたと。そして沢山の漢人がウイグル人の土地に入り込み続け、いつの間にかウイグル人と同じぐらいになり良い仕事の殆どが漢人が占めるようになった頃に彼等は態度を豹変させたそうです。気がついた時には遅かったと。

安全な日本に住んでいてもしょっちゅう中国大使館から連絡があり日本に住んでいるウイグル人は皆、生きた心地がしないようです。ウイグルにいる家族ともいつの間にか連絡がとれなくなり、心配で帰国したら、それは罠で罪をでっち上げられて逮捕されぎゅうぎゅう詰めの劣悪な環境の刑務所や収容所に入れられるそうです。そこでは洗脳の為の習近平の演説がテレビで流されたり引き離された親子の子供達が子供専用の収容所に収容されて、やはり洗脳教育がされていくようです。中国のすぐにドナーが見つかる臓器移植もウイグル人のではないかと言われてますよね。(法輪功の方々も犠牲になっているようですが)

まさにナチスを凌ぐ非道さではないでしょうか。

中国政府によるウイグル自治区におけるウイグル人への深刻な人権侵害をめぐって、米国、カナダ、英国、欧州連合が相次いで、中国に資産凍結など制裁を科したようですが、そこに日本の姿がないのはどうしてでしょう。中国政府に何、遠慮しているのでしょう。口先だけは「深刻な懸念」を表明しているようですが及び腰で恥ずかしくて仕方がありません。

これでは日本が今に同じ様な目にあっても何処も助けてくれないでしょう。100万人以上のウイグル人が今も強制収容所で苦しんでいるのです。(チベット、南モンゴル、香港もの人達も恐ろしい人権侵害に苦しんでいます。)

日本は現在、尖閣諸島、沖縄を狙われています。日本全国の土地も随分と買われているようですで「目に見えない侵略」も進んでいるようです。今のうちに早く手を打たないと大変な事になるでしょう。

グリスタン・エズスさんは本の中で優しい日本人は昔のウイグルに似てると言います。これはもう他国の事だからなんて言ってられないと思います。

ウイグルの人権侵害問題は日本にとって「明日は我が身」の問題です。

(葉)