「チャイニーズ・ジャパン」(佐々木類)を読みました。作者である産経新聞論説副委員長の佐々木類さんはこの本の「はじめに」で中国による「静かなる侵略」は最終章を迎えたのではないか、残念ながらそう思わざるを得ないのが日本の現状であると書いています。
第一章の「日本の過疎地が狙われている‼」では香川県にある東かがわ市で起こった騒動を紹介しています。東かがわ市にある旧福栄小学校は明治25年の開校以来多くの児童が通っていましたが年々児童数が減り、令和2年4月1日に閉校になり東かがわ市小中学校として統合されました。それだけなら何の変哲もない地方の廃校ですが校舎の跡地をめぐり大騒動の舞台となりました。激震が走ったのは幸福実現党の宮脇美智子市議が取り上げた事で初めて住民が知ることになった事で。それは廃校した福栄小学校に市長や教育長が交流していた中国エリート校である海定学校に宿泊施設として無償で貸し出されようとしていたというのである。それが実現すれば福栄小を拠点とする中国の前進基地が誕生することになってしまう。廃校を隠れ蓑にした中国共産党の拠点化にもなってしまう。市民達は実情が初めて知ることによって大騒ぎになります。が、当時の上村市長も竹田教育長も中国側と活発に交流しており海定学校側から東かがわ市を「日本進出の拠点にしたい」との打診があり市長も教育長も乗り気になったようです。しかし、こそこそと住民に知らせないように話を進めた事で知ってからは住民の不安がつのり住民の反対運動が起こり幸いにも取り敢えずは中止になりました。でもまだまだ市長も教育長も未練たっぷり残っているそうなので油断はできないようです。これは東かがわ市だけの問題ではなく中国は日本全国の過疎地を狙っており、廃校に目を付け、その地区に学生だけでなく親やその仲間たちも一緒に住み込み、その地区に根を張り人口を増やしていく…。これは本当に怖いことだと思います。ウイグルも少しずつ中国人が入り込んで住み始めいつの間にか人口が逆転したら中国人たちは態度を豹変してウイグルを乗っ取ってしまったのですから。
第二章から第四章までは「中国に買われる観光地、老舗旅館、そして日本の国土」の問題について書いています。古都京都の土地、建物も随分と中国資本に買われいる様です。京都だけでなく伊豆の老舗旅館、由緒あるホテルも中国による買収が進んでいる様です。そして北海道などの土地買い占めは好き放題やっているとか。中国人は国家ぐるみで計画して土地、建物だけでなく少しずつ少しずつ日本に移民させて日本乗っ取りの為の橋頭保づくりを狙っているように見えます。「国防動員法」もあるし、いつ日本人に対して襲い掛かり分からないから本当に恐ろしいと思います。
そして第五章では如何に中国寄りでその毒がまわっているかが書いてあります。特に親族が経営する日本端子株式会社の河野太郎などは日本にとって危険だと。その他に二階氏や小沢一郎氏の親中ぶりも書いてありましたが親中派が多い事がウイグルなどの対中制裁に踏み切れず米国を呆れさせ日米の分裂を狙う中国の狙い通りになり自由と民主主義という共通の価値観を有する欧米諸国から浮いた存在になってしまい日本が警戒の対象になってしまうのではないかと作者は危惧しています。今はもうアメリカや欧州やオーストラリアなどはだいぶ中国の正体を見抜き警戒しています。でも日本には着実に中国の魔の手が侵略し続けている。
中国文明発祥の地である黄河中下流地域にある平原に出現した漢人の遺伝子に今でも残されているのは「移動(入植)」なのだそうです。漢人らは武装して侵略を企てるのではなく寝床を確保する為にゴザを担ぎ異民族の住む肥沃な土地から土地へと移動を繰り返し最後はそこを乗っ取ってしまうというのである。それは今も同じで乗っ取ると「ここは四千年前から中国(漢人)」の領地であったと主張しはじめるのです。
日本における中国の「目に見えぬ静かなる侵略」は私達日本人の想像を遥かに超えて進んでいると言わざるを得ません。
私達日本人はもっともっと危機感を持たなければ大変な事になってしまうと、この本を読んで強く思いました。(葉)