教育改革提案(10)~ええかっこしいの学者とマスコミ~

10、ええかっこしいの学者とマスコミ

元徳島県公立中学校校長 川内時男

 

いじめや不登校が蔓延する今の学校現場・・・どう解決すればいいのでしょう。

ある人達は「いじめをする子供は教師が片っ端からぶん殴れ」「学校に行かない子供は親が力ずくで強引に家から引っ張り出せ」と言います。随分乱暴なやり方に聞こえます。多くの国民は「今の時代にそんな野蛮なやり方では解決しない」と思われることでしょう。

しかし、実はこれ、正しい方法なのです。

「片っ端からぶん殴って・・・」まではお勧めしませんが、基本的にこのやり方が最も早い解決法なのです。事実その昔、学校はこのやり方で問題を解決していたではありませんか。しかし現代は、これにクレームをつける、ええかっこしいの大馬鹿者がウジャウジャいます。「ええかっこしい」というのは徳島弁で「いい格好をしたがる人」と言う意味です。

その「ええかっこしい」の教育学者やマスコミは「力で押さえる方法では問題は解決しない」と言い、したり顔で「子供の気持ちに寄り添い、子供自身に考えさせるのが良い」と言います。

何と耳当たりの良い言葉でしょう。私などはその言葉のあまりの美しさに、目がくらんで、頭がクラクラして、鼻血が出て、卒倒しそうです。

彼らは「自分たちはこれほど子供の気持ちを大事にしているんだぞ」と正義漢を気取っているのでしょうが、現実はそれほど甘くはありません。そんな方法で問題が解決した例を私はただの一つも知りません。

しかし世間ではこの考えの方が受け入れられます。なぜなら何となく言葉がソフトだからです。社会は荒っぽい言葉よりソフトな言い回しを好むからです。

こういう世間の風を受け、学校は力による指導をしなくなりました。その結果、深刻ないじめが発生し子供が自殺するような事態になりました。現場の厳しさを知らない学者やマスコミの無責任な物言いは本当に困りものです。

実は、このことは今の教育界の体質をよく物語っています。

子供は成長過程にありますから、時には自分を見失って様々な問題を起こします。友達をいじめることもその一つです。こんな時には教師が声を張り上げて一喝すれば子供はびびって我に返り、問題はすぐに解決するのです。

しかし、今の時代はわざわざそれを「禁じ手」とし、「子供が問題行動に走るのは、何か他に原因があるに違いない」などと、的外れな方に目を向け、問題を複雑にし、いっそう深刻にさせるのです。

つまり簡単に解決する方法が目の前にあるのにそれを「禁じ手」とし、わざわざ遠回りして問題解決を難しくさせてしまう奇妙な体質が教育界にはあるのです。

この体質も元を正せば「子供は天使だ」「純真無垢だ」などと子供を美化したことが原因なのです。

 

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