朝日新聞的教育観の崩壊(一)山之邊雙

山之邊雙氏よりの投稿がありましたので掲載いたします(仁)。

 

朝日新聞的教育観の崩壊(一)      山之邊雙

 

「ひろゆき」氏というユーチューバーがいる。西村博之という名前らしい。

2ちゃんねる、5ちゃんねるの創設者である。知らない人はWikipedia参照。

この人、インタネットでは「反日だから嫌い」という批判も受けているが、そんなにひどくはない。今どき、我々以外はみんなこんなものだ。

それよりも、社会批評が面白いので、保守派でも笑って聞くことができる。動画もツイッターもある。

一番最新版の動画は、(https://www.youtube.com/watch?v=fyQ5rdSQkZE)。

ツイッターでも同じことを言っていて、そちらから引用すると、次のようになっている。

 

《学歴フィルターがバレて偏差値の低い大学の人が不快になったという話。面接できる人数は限られていて、偏差値の高い大学生だけを相手にしたい企業があるのは事実。嫌なら勉強して良い偏差値の大学に入ればよい。学歴フィルターに文句を言うのは見当違いだと思うおいらです》

《学歴フィルターに文句を言っても、低偏差値の学生が採用されるようになるわけではなく、誰も読まずに自動的にゴミ箱に行くだけのエントリーシートを企業に送付出来るようになるだけです。偏差値の低い学生に無駄なコストが増えるだけということがわからないんですかね》

 

ひと昔前だったら、こんな「真実を衝いたホンネ」を吐露したら、忽ち袋叩きにされるに決まっていた。誰が袋叩きにするのかと言えば、朝日新聞と日教組だ。日教組は息も絶え絶えだが、まだ尻尾が動いている。今のうちに頭を潰しておかなければならない。

 

「いい学校とか悪い学校とかの違いはないんだ。みんな同じなんだ」というのがリベラル(昔は進歩派とか左翼とか言ったが)の常套句だった。それでいて、自分の子供は少しでもいい学校へ入れようと躍起になっていたのだから、これを偽善と言わずして何と言おう。

 

「学歴フィルター」のことを、かつては「指定校制度」と言っていた。「指定校制度」は差別だからやめろとマスコミが騒ぎ、企業も公式には、どんな大学からでも採用すると言ってタテマエを繕った。「このリストにない大学からは採用しません」とは言えなくなったのである。言いはしないが、現実には昔指定校だった大学からしか取らない。旧帝大に倣って、格差の頂点にある「旧指定校」と呼ぼうか。

タテマエでは応募できることになっているのだから、パッとしない大学の学生も「もしかしたら」と空しい期待を抱いて、エントリーシートを送る。無駄な努力をさせられているわけだ。「君の大学では無理だよ」とはっきり言ってくれる方がどれだけ親切か。

「指定校制度」と「学歴フィルター」の違いは、公然とやるか非公式にやるかだけだ。

朝日新聞東京本社の「旧指定校」は東大と早稲田である。大阪本社では京大が強いとも言う。地方採用では下の大学からも取るが、本社の中枢には絶対に入れない。「下の大学」などというだけで、朝日からは差別と叩かれそうだが、じゃあ、朝日、そういう大学からも採れよ。

 

朝日新聞は、そんなに指定校制度や学歴フィルターに反対するのなら、一年だけでいいから、東大と早稲田からは一人も取らないという英断をしてみたらどうか。これをしたら、学歴差別に大きな一石を投じるに違いない。

七八年前に、東大から朝日に一人も入らなかった年があった。慰安婦問題で朝日が、「捏造ではないが誤報」だということを認めた年だったから、相当な波紋を呼んだ。

実は若干誤解があった。慰安婦のせいで朝日が嫌われたわけではなかったのだ。そうだったらよかったのだが。

同じ年ではあったが、採用は三月以前、「誤報ごめんなさい」は八月五日だから、因果関係はなかった。

 

あれは、朝日の最終銓衡に残った東大生にNHKが内定を出して、みんな拉致して持って行ってしまうという椿事(ちんじ)が出来(しゅったい)したからだった。どちらも反日企業だから、反日の学生から見ればどっちかに入れればよい。内定が来たらすぐに飛びつくのは当たり前だ。

それにしても、東大生ゼロでも朝日はあんまり困った様子はなかった。いや、今、非常に困った事態にはなっているが、それは東大生ゼロとは関係がない。他の理由で読者から愛想をつかされてしまっただけだ。朝日も「実質的指定校制度(旧指定校優先)」をやめたら?

朝日はつねづね受験競争に反対して、「偏差値秀才は駄目だ」と言っているのだから、東大と早稲田から取らなくなれば、社員の質が上がるはずではないか。